スパイラル「聲明」コンサートシリーズvol.23/千年の聲 明恵上人「四座講式」800年紀 — 語りものの源流
2015年は明恵上人によって作られた『四座講式』の 800年紀にあたります。
『四座講式』は、日本で作られた叙事的な日本語の声明として、浄瑠璃や平曲など語りものも源流と云われています。1215年(建保3)2月15日、明恵上人は栂尾高山寺の涅槃会に際し『四座講式』を撰述し、演唱されました。 『夢幻記』でも有名な明恵上人。幼少の頃から釈尊を慕い、インドへの渡航を 2 度にわたって企てながらもその夢はついぞ叶えられませんでした。その釈尊に対する恋慕渇仰の思いが 聴聞の人々の胸を打ち、各地の涅槃会で用いられ、講式中の講式として普及し、今日に唱え継がれています。
《四座講式》
「涅槃講式」
沙羅双樹の下で入滅した釈尊の最後の様子を伝えます。
「羅漢講式」
釈尊から仏法を護持することを託された16人の仏弟子たちの物語です。
「遺跡講式」
菩薩樹など釈尊ゆかりの遺跡を尋ねた人々の物語です。
「舎利講式」
仏法を伝えるために遺された釈尊の遺骨(仏舎利)の功徳を物語ります。