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仏教関連ピックアップ
曼荼羅展 -宇宙は神仏で充満する!- 根津美術館 コレクション展
曼陀羅展 -宇宙は神仏で充満する! 根津美術館

開催趣旨
Mandala(マンダラ)とは、サンスクリット語で<真髄・本質を得る>こと、すなわち仏の最高の悟りの本質を得ることを意味します。そして、密教が説く抽象的な観念を心に思い描くために、それを視覚的に表したマンダラ(=曼荼羅)が作られるようになりました。インドでの曼荼羅は、立体の壇に仏像を安置したり描いたりするもので、修法が終わると壊していましたが、中国や日本では絹や紙に描いた絵画が主流となり、密教の根本原理を図解する両界(りょうがい)曼荼羅をはじめ、さまざまな修法に合わせて個別の仏の世界を描いた別尊(べっそん)曼荼羅が制作されました。
中国から仏教を学んだ日本で、曼荼羅の語は<仏の信仰世界を示す絵画>の意味をさらに広げてゆきます。諸尊の関係性を幾何学的に構成した密教の曼荼羅にはじまり、ほとけが住む浄土の様子を描いた浄土図は浄土曼荼羅、また神仏習合の思想に基づいて表された礼拝画は垂迹(すいじゃく)曼荼羅とよばれています。
「曼荼羅展-宇宙は神仏で充満する!」では、根津美術館が所蔵する日本の仏画コレクションより選りすぐった、密教曼荼羅や尊像画、浄土曼荼羅、垂迹曼荼羅の優品約40件(うち重要文化財7件、重要美術品5件)を展示いたします。
「大日如来像」(重要文化財 平安時代 12世紀)と「愛染曼荼羅」(重要文化財 鎌倉時代 13世紀)は、近年行われた本格的修理後、初めての公開となります。また、この機会に館蔵の密教絵画を網羅した刊行物を出版いたします。
金剛界八十一尊曼荼羅、兜率天曼荼羅、春日宮曼荼羅など当館が誇る曼荼羅の名品から、聖観音、如意輪観音、不動明王の尊像画まで、崇高で力強い仏画の世界をお楽しみください。

■展示室1・2 コレクション展「曼荼羅展-宇宙は神仏で充満する!」

愛染曼荼羅
修理後初公開
重要文化財 愛染曼荼羅(あいぜんまんだら)
鎌倉時代 13世紀 根津美術館蔵
密教では、愛欲を積極的に評価し、そのパワーを衆生救済の原動力とみなした。赤身の愛染明王を中尊とする愛染曼荼羅は、人々の和合を願う敬愛法(きょうあいほう)の本尊画像である。なかでも量感あふれる尊像や優美な花葉文を表す本図は、鎌倉時代前期に遡る優品として名高い。
金剛界八十一尊曼荼羅
重要文化財 金剛界八十一尊曼荼羅(こんごうかいはちじゅういっそんまんだら)
鎌倉時代 13世紀 根津美術館蔵
密教の教義は胎蔵界(たいぞうかい)・金剛界(こんごうかい)というふたつの曼荼羅で表され、それらは堂内の左右に懸けられた。本図は密教の悟りが金剛(=ダイヤモンド)のように堅固であることを諸尊の配置で示す金剛界曼荼羅。尊像の吊り目がちな顔立ちやふっくらとした花葉の表現に特色があり、鮮やかな彩色をとどめる美作として知られる。
大日如来像(だいにちにょらいぞう)
修理後初公開
重要文化財 大日如来像(だいにちにょらいぞう)
平安時代 12世紀 
根津美術館蔵
左手の人差し指を右手で包む智拳印(ちけんいん)を結ぶ大日は、密教の「智」を表す金剛界曼荼羅の本尊。現存する大日如来の独尊画像で最も古く、また平安時代後期の美意識を反映した美麗な仏画として知られる。
尊勝曼荼羅(そんしょうまんだら)
尊勝曼荼羅(そんしょうまんだら)
鎌倉時代 13-14世紀 
根津美術館蔵
月輪(がちりん)内に金剛界大日と八大仏頂を表し、下方の三角形に不動明王、三日月に降三世明王(ごうざんぜみょうおう)を配する独特な構図の曼荼羅。本図を本尊とする尊勝法(そんしょうほう)は、滅罪、延命、出産や祈雨などを願う。
兜率天(とそつてん)曼荼羅
兜率天(とそつてん)曼荼羅
鎌倉時代 13-14世紀
根津美術館蔵
弥勒菩薩の浄土・兜率天を、斜め向きの俯瞰図で図絵する。主殿内に坐す弥勒菩薩、さらに上層の宝珠が強い光明を放っており、ふんだんに使われた金彩とともに、光に満ちた浄土の様子が精緻に表されている。
■その他のおもな出品作品
    (すべて根津美術館蔵)
  • 重要文化財 法相曼荼羅
    (鎌倉時代13-14世紀)
  • 重要美術品 春日宮曼荼羅
    (鎌倉時代13-14世紀)
  • 両界曼荼羅
    (室町時代15-16世紀)
  • 重要美術品 金剛薩埵像
    (鎌倉時代13-14世紀)
  • 重要美術品 五大尊像(うち四尊)
    (鎌倉時代13世紀)
  • 重要文化財 愛染明王像
    (鎌倉時代13世紀)
  • 当麻曼荼羅
    (室町時代14-15世紀)
  • 南円堂不空羂索観音像
    (南北朝時代14世紀)
  • 日吉山王本地仏曼荼羅(厨子)
    (鎌倉時代13-14世紀)
  • 重要美術品 熊野本地仏曼荼羅
    (鎌倉時代14世紀)

■関連プログラム

◇ 講演会2 「曼荼羅のこころとかたち-装飾文様に込められた意味-」
    日時 8月24日(土)14:00-15:30
    講師 中村幸真氏 種智院大学 教授
◇ 講演会3 「日本の曼荼羅-仏と神が織り成す宇宙-」
    日時 8月31日(土)14:00-15:30
    講師 白原由起子 根津美術館 学芸部課長
※会場はいずれも根津美術館 講堂 定員140名
<申し込み方法>
往復はがきに参加を希望される講演会名(「講演会2」または「講演会3」)と住所・氏名(返信面にも)・電話番号を明記の上、〒107-0062 東京都港区南青山6-5-1 根津美術館「曼荼羅展」講演会係 宛にお申込みください。
講演会2は8月10日(土)、講演会3は8月17日(土)締切(当日消印有効)
※参加希望者1名につき1枚の往復はがきでお申し込みください。

◇ 「曼荼羅展」ギャラリートーク
    日時 8月2日(金)、8月23日(金)いずれも午後1時30分より約60分間
※午後1時よりホールにて整理券を配布します。
※当日先着30名様に限らせていただきます。

講演会、ギャラリートークとも参加は無料ですが、入館料をお支払いください。
開催概要
■開催期間 2013年7月27日(土)~9月1日(日)
休館日:月曜日
■開催場所 根津美術館
地下鉄銀座線・半蔵門線・千代田線<表参道>駅下車
A5出口(階段)より徒歩8分、B4出口(階段とエスカレータ)より徒歩10分
■開館時間 午前10時~午後5時[入館は午後4時30分まで]
■観覧料金 一般1,000円(800円) 学生800円(600円)
※( )内は20名以上の団体料金 中学生以下無料
前売券  一般 900円 学生 700円
※2013年6月1日(土)~7月15日(月・祝)「山口県立萩美術館・浦上記念館名品展「やきものが好き、浮世絵も好き」展開催期間中、根津美術館ミュージアムショップにて販売
■主催 根津美術館
■お問合せ TEL 03-3400-2536(代表)


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