観月会2014について
岡倉天心が、飛田周山の案内で五浦に土地を求めたのは1903(明治36)年の5月頃のことでした。天心はこの五浦の地をいたく気に入り、二年後には六角堂を構え、ここを拠点としてボストン美術館勤務などの国際的な活躍をしました。1906 (明治39)年には日本美術院を五浦に移し、各界の名士を招待して「仲秋観月会」を開催しました。「観月会2014」は、この催しを偲んで開催するものです。
講演会では、天心とフェノロサ研究の第一人者山口静一氏に、これまであまり注目されてこなかった天心と仏教の関わりについてかたっていただきます。六角堂展は、それにちなんで現代美術と仏教の直結を試みるアートユニット・ソ-ワ-カ(s-va-ha)のパフォーマンスを行い作品を展示いたします。
■六角堂展「S-va-ha / ソ-ワ-カ TENSHIN・ART・BUDDHISM」
作品展: 10月11日(土)~11月9日(日)9:30~17:00 (※11月9:30~16:30)
月曜休館(10月13日、11月3日は開館、その翌日は休館)
パフォーマンス「Ceremony for Tenshin Okakura」: 10月26日(日) 六角堂
五色の衣をまとい仏像に扮したTETTAの舞踏、真言宗僧侶であり現代美術作家である平林と川上の読経、そしてその場所でパフォーマンスを行う理由を明文化したコンセプトテキスト。これらを合せた映像作品や映像インスタレーションを制作してきた。
明治時代に日本美術史の礎を築いた岡倉天心は、講義で様々な精神的影響を仏教が美術に与えた事を指摘している。ソ-ワ-カは今回の展示で映像作品、インスタレーション、メンバー三人の平面作品、パフォーマンスというアプローチで、岡倉天心の説いた日本美術の精神の根幹としての”仏教”を六角堂と天心邸という場に現代美術として顕在化させる事を試みる。
■天心邸茶会
10月25日(土)11:00~14:00 天心邸
亭主 鈴木宗博(すずき そうはく 岡倉天心偉績顕彰会)
年に一度、天心邸を一般に開放する催しです。『茶の本』のこころを体験する形にこだわらない茶会です。お気軽にご参加ください。
先着50名のお茶券(500円)は、当日天心邸入り口で受け付けます。
■講演会
「岡倉天心と仏教」 講師:山口静一(埼玉大学名誉教授)
10月25日(土)14:00~15:00 天心記念五浦美術館講堂 (参加費無料)
フェノロサ研究の権威である山口先生に、天心と仏教について、現在進行中のご研究から語っていただきます。近年、長谷寺所蔵の資料が公開され、奈良の室生寺の住職であった丸山貫長と天心の深い関係が知られるようになりました。山口先生が出版のご準備をされている本の内容について、先行してのご発表になります。