ま
末法(まっぽう)
仏滅後最初の千年(五百年ともいう)を正法、次の千年を像法、その後の一万年を末法という。教えのみがあって、その実践も、悟りの証もない時代。
曼荼羅(まんだら)
曼荼羅 梵語マンダラの音写。壇。神聖な壇に仏・菩薩を配置した図で、宇宙の真理を表したもの。本質・精髄の意で、転じて輪円具足の意ともなる。金剛界・胎蔵法の二種があり、智・悲を表す。
み
未曽有(みぞう)
梵語アドブタの漢訳。原意は「びっくりした」の意。これまでになかったこと、非常に珍しいこと、世にも不思議なこと、奇跡の意。九分経・十二部経のひとつに「未曽有経」がある。
冥加(みょうが)
冥加 冥応・冥益・冥感と同じ。顕加の対。仏や菩薩から知らず知らずのうちに受ける加護。目にみえぬ神仏の助け。冥助ともいう。冥加を請い、または感謝の気持ちから寺社に納入する金銭をもいう。
む
無為(むい)
生滅変化を越えた常住絶対の真実。有為の対。因果関係を離れ、生成破壊を越え、現象を離れた絶対的なもの、無限定なもの。ニルヴァーナの異名。真如と同じ。自然のままで作為のないこと。
無住所涅槃(むじゅうしょねはん)
生死の世界にも涅槃にも住することのない涅槃。迷いの世界にもとどまらず、衆生を救うために迷いの世界で活動するため涅槃の境地にもとどまらない。
無相(むそう)
形やすがたのないこと。特定の相をもたないこと。物事には固定的なすがた、実体的なすがたというものがない、という意。したがって実相は無相であり、無相は実相であるということができる。
無明(むみょう)
われわれの存在の根底にある無知。十二因縁の第一支。生老病死などすべての苦をもたらす原因となるもの。愚かさ、迷い、根本的な煩悩。迷いの根源。過去世から無限に続いている無知。
無余涅槃(むよねはん)
一切の煩悩を断ち切って未来の生死の原因をなくした者が、なお身体だけを残しているのを有余涅槃といい、その身体までなくしたとき無余涅槃という。迷いが全くない状態での死。