た
対機説法(たいきせっぽう)
人を見て法を説くこと。教えを受ける者の素質に適した教えを説くこと。病に応じて薬を与える、にたとえられる。「機」とは「機根」のこと。能力、素質、性質、力量。
胎生(たいしょう)
四生のひとつ。母胎から生まれたもの。人類、獣類をさす。四生とは、胎生、卵生、湿生、化生の四つをいう。
大蔵経(だいぞうきょう)
漢訳仏典の大叢書。略して蔵経、あるいは一切経ともいう。経・律・論の三蔵を中心に、若干の中国撰述の書を加えた仏教の基本的叢書。パーリ語、漢語、チベット語、蒙古語、満州語、日本語のものが現存する。
達陀(だったん)
梵語タプタの俗語タッタの音写。火による苦行の意。東大寺で行われるお水取り行法の一部の儀式。大きな松明(たいまつ)をともして行う。
泥滞水(たでいたいすい)
自ら泥をかぶり、水にぬれて他人を助けること。仏法を体得したものが相手の水準までおりていって親切に指導教示すること。
陀羅尼(だらに)
仏の教えの精要で、神秘的な力を持っていると信じられる呪文。総持とか能持と漢訳され、本来は、すべてのことや教えをよく記憶して忘れない力、の意。
と
東岸(とうがん)
西岸の対。西岸とは西方極楽浄土のこと。彼岸のこと。従って東岸は此岸、裟婆のこと
倒見(とうけん)
ものごとをさかさまに考える誤った考え方。諸行が無常であるのを常恒と見、一切皆苦を楽とみ、諸法無我を有我であると考え、不浄を浄と解する四種類がある。
盗牛(とうご)
牛を盗んでも、その料理をする方法を知らなければ、美味、醍醐味を味わうことはできない。同じように、単に仏教の文句を盗んでも、悟りを開くことはできないというたとえ。
得度(とくど)
度はわたる。わたることを得、わたることができた、の意で、迷いの世界、娑婆・此岸から悟りの世界、彼岸にわたること。救う、救うことができる。転じて、仏門にはいること。
都率(とそつ)
梵語トゥシタの音写。弥勒菩薩の浄土のあるところ。覩史多・兜率とも書く。六欲天の第四。七宝の宮殿に内外の二院があり内院に弥勒菩薩が住み、外院に天衆が遊楽している。