真宗大谷派
〔沿革〕
宗祖親鸞聖人を開祖とし、真宗本廟を中心とする宗門である。聖人入滅後、覚信尼公は遺弟とあい図って大谷の祖廟を建立、聖人の影像を安置し、教えを奉ずる人々はあい集いて、今現在説法したもう聖人の真影に対面して聞法求道に励んだ。これが本願寺の濫觴であり、宗門の原形となる。代々血脈により法燈を相承するも、第十一世顕如に至り、その長子教如がいったん法燈をついだが、故あって弟准如にゆずる。准如を第十二世とし、それから次第に相承した系統が本願寺派となって現在に至る。一方、教如は慶長7(1602)年烏丸に寺地を得て本願寺を創建。その第十二世となり、それから次第に相承して現在に至っているのが、大谷派である。明治28年、現在の両堂(御影堂、阿弥陀堂)が再建され、昭和56年新宗憲を制定して今日におよぶ。
〔教義〕
宗祖親鸞聖人が、仏説無量寿経に基づいて、顕浄土真実教行証文類を撰述して開顕した本願の名号を体とする往還二種廻向が要旨。1、阿弥陀如来の本願を信楽して平生業成の安心に住し、正定聚の身となり浄土滅度を期す。2、常に如来の照護を蒙り、仏名を称念して懺悔と知恩とを忘れない。3、正見して禍福に惑わず、人生の福祉と文化向上を図る。
『現代仏教情報大事典』より引用
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