【宗派名】臨済宗妙心寺派
【別名】水戸寺
【住所】山梨県南巨摩郡身延町下山
【本尊】釈迦如来
【開山】桃隠正寿和尚
【開基】南松院殿葵庵理誠尼
【由緒】南松院は、戦国時代に甲斐国守護であり、有数の戦国大名として知られる武田家一門の穴山伊豆守信友の室、葵庵理誠禅尼の菩提所として、嫡子信君が、桃隠正寿和尚を開山として創建した禅刹である。禅尼は武田信虎の二女で穴山家に嫁ぎ、禅を崇めて、弘治3年(1557)葵庵理誠の法号を授けられ、夫君信友の世を去って後、この庵室に閑居し、朝経暮呪の勧行にいそしみ夫君の冥福と家運の隆昌を祈った。永禄9年(1566)、禅尼は病んで入寂し、賢弟の武田信玄は亡姉君禅尼の菩提所の故、南松院を厚く外護し、嗣子勝頼もこれに倣った。その後、徳川家康より寺領25石を寄進されたこともあり、穴山、武田、徳川三家由緒の寺として重んじられたが、世変わり、慶応年間(1685-68)の火災などによって衰えるに至った。しかし幸いに宝物は多く残されたので、文化財に指定を受け今日に至っている。
【寺宝】開山桃隠正寿和尚画像(県文)/南松院夫人葵庵画像(県文)/葵庵法号記(県文)/渡唐天神画像(県文)/大般若経 600巻(県文)/南松院古文書36点(県文)/南松院韋駄天像(町文)/南松院釈迦仏(町文)/南松院古文書(町文)/その他多数