【宗派名】真言宗御室派 旧門跡
【別名】船阪観音
【住所】京都府船井郡園部町船阪大門
【本尊】十一面千手観世音菩薩・大日如来
【開山】白河天皇
【開基】弘法大師
【由緒】九品寺の開山は白河院で、平安時代永保年間(1018〜83)に院自ら勅願御廟寺の意をこめて伽藍を建立し、船井郡十一郷に及ぶ広大な寺田を寄進した上、第三皇子の覚行法親王を住職と定められた名刹である。古くから船阪観音の名で親しまれ、その霊験をもって信仰が普及し、九品安楽の浄土と慕われ、鎮護国家の道場ともされた。その後寺運は栄えたが、南北朝、室町時代の戦乱期に諸堂裏微し、元和9年(1623)園部領主小出吉次によって修造再建されて一旦旧観に復した。しかし、昭和の戦中戦後になると、管理に人を得ず、大門を残して諸堂悉く廃絶に頻したことで、その間に観音、不動明王等の多くの寺宝もまた流出してしまった。その一部はアメリカ・メトロポリタン美術館に収蔵されている。昭和63年(1988)には白河院・覚行法親王の850年御忌が厳修された。
【寺宝】大門(重文) 鎌倉時代の建立。三間一戸、入母屋造り、檜皮葺き。/その他千年の寺宝多数あり