【宗派名】単立(天台系)
【別名】義仲寺(ヨシナカ)
【住所】滋賀県大津市馬場1丁目5-12
【本尊】聖観音菩薩
【開山】天文22年(1553)
【開基】近江源氏22代佐々木義実
【由緒】朝日将軍木曽義仲公(源義仲1154-84)の御墓所である義仲寺は、寿永3年(1184)義仲が粟津ケ原の地で討死された後に、義仲公愛妾の巴御前が尼僧となり、義仲公の御墓所のほとりに庵を結んだことに始まる。この庵は「無名庵」と称えられたが、戦国の頃には荒廃し、近江国守佐々木侯が石山寺参詣の途次この様子を見て嘆き、再建して寺領を進めた。また貞享年間(1684-88)頃から芭蕉翁が頻りに訪れて宿舎とし、遺言に従って、義仲公墓の隣に芭蕉翁の墓が建てられた。明和6年(1873)蝶夢法師の中興があり、その後、火災や洪水のために度々の改修が行われたが、戦後昭和40年(1965)単立寺院となり、寺域を整頓し、朝日堂、無名庵の改築を行なった。また昭和51年(1976)には、粟津文庫を再建拡張するなど、昭和再建第二期事業が完成した。現在義仲寺の全境内が文部省指定史蹟となっている。
【寺宝】芭蕉翁絵詞伝 3巻(市文)--粟津文庫の創建者である蝶夢法師が、終生芭蕉翁を敬慕しつつ10年の歳月をかけて完成させたもの。上・中・下の3巻からなり、大津市文化財として指定され粟津文庫に収蔵している。