【宗派名】真言宗豊山派
【別名】弘福寺
【住所】奈良県高市郡明日香村川原
【本尊】十一面観音
【開山】天智天皇
【開基】道明上人
【由緒】川原寺は、皇極天皇(在位642-645)御譲位の後創建されたと伝えられ、飛鳥京官の四大寺の1つであった。飛鳥川原の地にあることから川原寺の名を得、別名弘福寺とも言われている。孝徳天皇白雉4年(653)、旻法師が寂すると、天皇は法師のために書工狛堅部子麻呂や鮒魚戸直等に命じて多くの仏菩薩の像を造り、川原寺に安置させた。このことから、本寺が尋常の寺院でなく、また相当の輪奐を備えていたことが想像できる。皇極天皇が本寺に接した飛鳥河部の行宮に居住した時もあり、その後天武天皇(在位673-682)が百官人等をして燃燈供養を行うなど、川原寺は歴代の朝廷の厚い御信仰を集め、盛大を極めていた寺院である。また弘法大師ゆかりの寺である。後に衰微の途を辿り、度々の火災で建造物を焼失し、現在は本堂を残すのみとなっているが、遺物、宝物に盛時の面影を窺い知ることができる。
【寺宝】持国天/多聞天/十二神将/十一面観音像/二十八個の瑪瑙の礎石/その他多数